その島国では武士が天下人の誉れを
得ることはついぞ叶わなかった。
世の政は陰陽道を修めし者らの手に委ねられた。
貴族は己が高名を守らんがため究極を目指し、
民草は立身出世を希って研鑽に励んだ。
彼らを中心に文化が花開き、幾星霜を重ねた。
然るに転機は前触れもなく訪れた。
未曽有の大災厄・白き嵐が京を蹂躙し、
その地と民、天子の威光に深き傷を遺したのだ。
それから二十年。
京の再建は果たされたものの、
混沌の余波は政の安寧を未だ寄せつけなかった。
この窮状を打破せんと、時の天子は決断を下す。
政府諸機関に属する陰陽師と
彼らが従える式鬼にその力を競わせ、
最も優れた機関の長を
己が権力の傍らに置くことを布告したのだ。

